先日NHKでノモンハン事件が放映されました。
ノモンハン事件ー父には事件と聞かされていました。
かように奉られた兵士を父と祖母(戦死者の母)は誇らしく思い込む努力をしました。
しかし,年金は半年ほどで続かなくなり,「戦争」ではなく「事件」だという不思議にも気づき始めました。
後年少年れいほうが調べていくと,なんとも意味のない戦争であり,桁違いのお粗末な戦力で挑んだ戦争であることが,だんだんわかってきました。
誇らしく思っていた父・祖母にはこの事実をとても言えませんでした。
そしてNHKのこの放映。
なんとその無意味な戦争に突き進んでいった経緯が明らかにされ,その責任者があぶりだされたのです。それも階級と実名を。よくぞここまで調べたもの,よくぞ放映したものです。
一方で,祖母と父がこの事実を知らずに鬼籍に入ったのは幸いというべきです。戦死者を誇らしく思い込もうとする遺族の心情は,そっとしておきたかった。
しかし,鬼籍に入った今は,後世においてこのように真実に迫ろうという営みが行われていることを祖母と父に伝えたい。