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日馬富士暴行事件の詳細が公表された

昨日12/20日馬富士の暴行事件の事実関係が詳細に公表されましたね。

事件の伏線はなんと白鵬にあったんですね。
1 現場に行く前の宴席で,白鵬が「もう俺らの時代じゃないそうだな」オイと貴ノ岩に突っかかったのが発端。

2 そこで日馬富士登場。「もういいじゃないか」と白鵬を制止し,場は険悪な雰囲気になった。ここが重要なポイントですね。

3 席を替えて現場宴席。ここで日馬富士が張り切って暴行に及ぶわけですが,この時の日馬富士の「心に底に分け入って」みませう。公表内容にはない私の解釈です。

4 上記2があったことから,日馬富士には「白鵬の前で貴ノ岩をシメる」というマグマが溜まっており,貴ノ岩の些細な「携帯電話をいじる行為」を契機として,マグマは一気に噴出しました。

そうです,これ白鵬に示すためだったのです。
白鵬貴ノ岩を〆るのを制止した手前,私がしめといたので,もう許してやってね」という日馬富士から白鵬へのメッセージなのです。ちょっとわかりにくいでしょうが,喧嘩をしたことのある者なら理解できる心情だと思います。

こういう時,暴行はレベルアップするものでして,見せる相手が(この場合は白鵬)「ああもういいよ」と言うくらいまでに達する必要があるのです。

果せるかな,物で殴るというのは反撃のない喧嘩においては有り得ないことで,日馬富士が上記の心情にあった証拠です。

5 実はもう一つ注目点があります。
  貴ノ岩が暴行を受けている最中の心情,つまり,殴られているとき「恥ずかしい,誰か止めてくれないか」と述べているところです。これは普通のインタビューでは出てくるはずもなく,高野委員長が引き出したもので,さすが元検事です。

 この供述は,事件の方向性を決定づけるものです。
 もうお分かりと思いますが,4のとおりこれは組織内構成員における心情から発した事件だということです。
 そしてまた,「事件を聞いてこうした組織内心情下における犯行であることを瞬時に理解した貴乃花親方は,事実関係の究明を相撲協会に委ねなかった」ということが白日の下にさらされたということです。

つまり,協会の聴取では貴ノ岩の4の供述は引き出される筈もなく,まして今回公表されたような一連の流れるような詳細な事実関係が詳らかになろうはずもなく,事件として事実の解明を捜査機関に委ねたという「貴乃花親方の判断が正しかった」ということを世に知らしめたということです。

今回公表前に,八角理事長と高野委員長が差しで協議したといいますから,伏せることとした事実が多々あろう中で,この事実公表をよく協会が納得したものだと思います。

貴乃花親方は,初代若乃花からの気風で,ガチンコ勝負のために他部屋の力士と「ねんごろ」になることを良しとしない中で育ってきていますから(先々代の弟子だった鳴門部屋もそうで,所属の横綱稀勢の里などは徹底しています),モンゴル勢の親睦を以前から快く思っていないところに,近年の白鵬の傍若,傲慢,不遜な振る舞い,これに対し協会がなんらの措置も打っていないこと等々で,協会に強い不信感をもっているのだと思います。
白鵬が優勝を重ねるのだって,この非ガチンコ体質に依っていると,貴乃花親方は言下に語っているのです。

(事件のさなか,日馬富士が「言いたいことがあるなら言え」と照ノ富士に迫ったところ,照ノ富士はその巨体を折りたたんで正座し「いえ横綱との間には壁がありますから」と恐縮していると,日馬富士からビンタが飛んできて,照ノ富士はこれに「ごっちゃんです」と答えた・・・というくだりを聞いたときは,こういう間柄にあればガチンコ相撲は無理だなと誰しも感じたことでしょう。)