珍しくスカートを履いた年配の看護師さんが、顔を覗かせてきた。
私が今回で生涯8回目の骨折だという話に食いついてきた。
手持ちのスマホが鳴動しても「後でこちらから電話します」と切ったので、「これは期待を裏切ってはいけない」と、私の体験談がノリノリになっていくのは致し方ない。
「60年間で8回の入院をしてみて思うのは、患者への向き方の変化だ」。これは退屈させないはずだ。
患者様という壁の表記、施術の際に「薬液を入れます」、「注射をします3、2、1」と言ってから打つ、不安になるほどのリスク説明と続き、体位変換に表徴される看護思想の変化、そして尊敬する医師であり思想家であるあの松田道雄にも及んだ。
いやー１人孤独にベットで過ごす患者に、なんというサービスだったろう。ありがとう・・・お名前を忘れた。
