reihou19(白い犬とバイクと)

白い犬 ⇒ 尾も白い( 面白い)

あの「ヤジさんキタさん」は同性愛者だったー

 日本語には「男色」「衆道」「念友」という同性愛を表す言葉があります。私は,これは一部の性愛者だけの話と思っていました。 

 
例えば,能を完成させたあの世阿弥は,「ほけほけとしてうるわし」とその美少年ぶりが称えられ,「10歳にならないうちから身を売っていた」という話,「足利義満といった権力者をはじめ坊さんも男色をしていた」,「代将軍秀忠と年寄り森川重俊」,「信長と森蘭丸」,「武田信玄と△□×○(忘れたので)」などなどの話は,どれも一部の性愛嗜好の話と思って読んできました。
 ところが,NHKTVの特集で認識を新たにしました。どうも,明治以前は同性愛は普通だったようなのです。あのヤジさんキタさんも同性愛者の珍道中ものなんだそうです。今でいう出会いサイトで出会った者同士だというのです。
 
そういえば・・・と今頃になって思い出すのですが,井上ひさしは「不忠臣蔵」に,「衆道狂いは20まで,女郎狂いは40前,訴訟ごとは50まで,それから後は後生の安楽を願うべし」と書き,男色が特別なものではないと言っています。
 
事ここに至って,好奇心の塊であるヤツガレは,俄然調査するのであります。
ある藩の殿様は,同性愛を巡る喧嘩沙汰に頭を悩ませこれを処罰したー男色が一般的であったという証拠みっけー。

次に,刑法にもみっけー。
刑法の前身である「改定律例」という法律が明治6年に制定されていますが,その第266条には, 
  「凡鶏姦する者は。各懲役90日。其姦せらるるの幼童。15歳以下の者は。坐せず。若し強姦する者は。懲役10年。」 と定められております。 
 意訳すると 
 「おおよそ,アナルセックスした者は,双方とも懲役90日。お相手が15歳以下の者だったら,その15歳の者は処罰せず。もし,アナルセックスが強姦なら懲役10年。」となります。 

 この「鶏姦」というのがアナルセックスのことで,ちゃんとした日本語の呼び方があるんですねえ。処罰規定を置くということは,男色が普通にあったという証左です。 

 現・近代で同性愛がタブー視されるようになったのは,刑法典を編纂指導したのがボアソナードというとこに注目ですね。キリスト教の影響でしょう。今でも,キリスト教では同性愛はもめてますよね。
(正確に書いておきます。「改定律例」の後が「刑法」(明治刑法)ですが,この編纂にはボアソナードが指導しています。) 

 ということで,日本では,異性も同性も等しく愛する文化があったんですな。人が人を愛するということは,平和で仲むつまじいことで,いいんじゃないんでしょうか。
 TVでは「愛ちゃん」「マツコデラックス」「かばちゃん」という人たちが表に出るようになってきたしね。